今週9月第4週は、今まで主に、馬のことばかりお話させて頂きましたので、騎手と調教師及びAdinpick3というソフトについて話をさせて頂きます。
今週は、武豊騎手が乗った馬は殆どが1着となり、騎手の手腕がいかに重要かということをあらためて痛感した週でした。
科学的競馬投資ソフトAdinpick3は騎手適性という基準値を保有しておりまして、騎手の能力を数値化しております。
私の騎手の能力評価は連対率などとは関係なく、独自の視点で能力評価をしております。
一般的に上手と言われる騎手は、やはり強い馬に騎乗するチャンスが多く、当然の結果として連対率が良くなっているようで、連対率では本来の騎手能力を表すことができないと言うのが私の考え方です。
私の実際の騎手能力の評価は、Adinpick3が算定した能力に基づく予想順位に対して、その予想順位に対して上位順位だったのか下位順位だったのかを算定し能力評価をしています。
過去約8年間のデータから算定した騎手基準値による上位ベスト15騎手を見てみますと、以下になっています。
1.K.デザーモ
2.O.ペリエ
3.武豊
4.安藤勝巳
5.M.デムーロ
6.岩田康誠
7.吉田稔
8.鮫島克也
9.小牧太
10.石崎隆之
11.内田博幸
12.川原正一
13.横山典弘
14.C.ルメール
15.五十嵐冬樹
と、意外なことに、外国人騎手・地方競馬(出身)騎手が多く、中央競馬の騎手は何をしているのかと思っている次第です。
厚遇されている中央競馬の騎手は、ハングリー精神が少ないのでしょうか?
当然の結果というか、外国騎手を除く日本の騎手では、武豊騎手がNO1ということでした。
ところで現在のAdinpick3では、展開を読むといった基準値は保有していません。昔は、展開を読む基準値を持っていたのですが、結果が芳しくなく止めた次第です。
展開を読むのは非常に難しいと言うのが私の結論で、展開は騎手が判断して、先に行くのか後ろから行くのかを騎手が判断するわけですから、騎手能力の高い騎手は適切な展開判断しているはずだということで、騎手基準があれば展開基準は不要という判断をした次第です。
ここで、騎手適性に関して過去8年間のデータで分析した結果をみてみますと、
騎手適性◎の騎手が騎乗している馬は、全馬の9%で、○が25%、▲は24%で、騎手適性が◎○▲の馬は全体の60%も占めています。
騎手適性◎の騎手が騎乗している馬の分析結果は、単勝オッズの平均配当980円に対して565円と約60%でかなり低配当ですが、上位1・2・3着に来る入着率は37%とかなり高い数値になっていました。
ちなみに、騎手適性○の騎手が騎乗している馬の分析結果は、単勝オッズは平均配当980円に対して800円と約80%の低配当ですが、上位1・2・3着に来る入着率は28%とかなり下がってしまいます。
又、短距離より長距離でこそ騎手の上手下手の差が出るとよく言われていますが、騎手適性◎の騎手が騎乗している馬に関して短距離・中距離・長距離別に上位1・2・3着に来る入着率を分析してみましたが、差は全く見られませんでした。騎手能力は距離によって差が出ないというシミュレーション結果になっていた次第です。
今回の騎手に関する各種シミュレーション結果からは、騎手適性◎の騎手が騎乗している馬にはやはり注目する必要があると判断している次第です。
9月28日公開予定の次期バージョン2050では、独自データのユーザー設定に新たに騎手適性を追加しており、騎手適性に関しても最終総合点数への影響度をユーザー側で設定可能にしております。
ところで、実は現在のAdinpick3は調教師に関する基準値を保有しておりません。
昔は、休養明適性に調教師毎に基準値を設定していましたが、現在は休養明適性は父母系の血統に基づく基準値に変更しております。
近年、調教技術の進歩が見られるようですので、あらためて調教師についても能力評価を試みた次第です。
調教師の評価も、騎手の能力評価と同様に、Adinpick3が算定した能力に基づく予想順位に対して、その予想順位に対して上位順位だったのか下位順位だったのかを算定し能力評価をしてみました。
過去約8年間のデータから算定した調教師の能力分析の結果を過去100勝以上の調教師の上位ベスト10を見てみますと、以下になっています。
1.伊藤雄二
2.藤沢和雄
3.加藤征弘
4.音無秀隆
5.坂本勝美
6.松山康久
7.坂田正行
8.堀宣行
9.森秀行
10.作田誠二
となっていますが、分析結果は騎手ほどには調教師毎に差が無い結果になっていました。
騎手能力は、騎手によってかなり能力差がありましたが、調教師による能力差はそれほど大きくなかったという結果でした。それでも、良いと言われる調教のところには、能力のある馬が集まってきているように思われます。
ここで、調教師に関して過去8年間のデータで分析した結果をみてみますと、
調教能力が高い調教師は、全馬の9%で、単勝オッズの平均配当980円に対して715円と約73%で低配当ですし、上位1・2・3着に来る入着率も30%と、騎手適性◎が騎乗した馬に比べて、調教能力が高い調教師の馬は、あまり有意性が無いのが分析結果でした。
今回の調教師に関する各種シミュレーション結果からは、当面、調教師適性に関する基準値は作成する必要はないと判断している次第です。
ところで、今月3週にわたり述べましたきましたように、私が重視している3つの独自データは「血統適性」と「芝ダート変換適性」と「休養明適性」の3つですが、私が、これら3つの独自データを重視している理由は、
1)その馬の過去の成績とはあまり関係ない適性値だが、上位入着する可能性が高い。
2)未だ、他の競馬ソフトや競馬理論等で確立されておらず、一般的で無い為あまり人気にならず、結構高額配当になることが多い。
ということです。
「その馬の過去の成績から分かる適性ではない」・「従来から漠然としていた領域で一般的に解明されていない」という暗黒の領域を、科学的に解明したAdinpick3の独自データになっているわけです。
これら独自データの基準データは、基準値として、毎月最新データに基づき更新しております。
実は、私は、ADINPICK3というソフト自体にはあまり価値があるとは思っておりません。処理速度や画面表示内容や使い易さという観点から見れば、もっと優れたソフトはたくさんあると思っています。
Adinpick3の価値は、その独自データである「基準値」にこそ価値があると思っている次第です。
よく、「A馬は強い」とか、「B馬は1600M戦が得意」とか、「C馬はダートがめっぽう得意」とか、「D馬は東京コースが得意」とか、「E馬は休養明けは全く走らない」といった抽象的な話が、競馬でよく出てきます。
実際の競馬では、
・A馬は、X馬に比べて10%ほど強い。
・B馬は、1200Mに比べて1600Mでは10%ほど能力が上がる。
・C馬は、芝に比べてダートでは10%ほど能力を上げて走れる。
・D馬は、中山に比べて東京では10%高い能力で走れる。
・E馬は、休養明だと10%能力が落ちる。
といった、具体的な比較数値が無い限り実際の比較はできないはずです。
Adinpick3の基準値は、これら具体的比較数値を算定する基準データそのもので、例えば、A馬は芝からダートに変更出走したら芝に比べて10%高い能力になるといった具体的数値が算定できるようになっています。
10月度基準値は、血統適性に新たに「不良馬場適性」を新規追加して、9月28日から提供予定です。
今週のレースでは、武豊騎手が騎乗したデイープインパクトが出走した神戸新聞杯に注目が集まりました。
血統適性と対戦適性が高い馬が1・2・3着に来たレースでした。いわゆる順当という結果だったわけですが、それにしても3連複の2150円に対し3連単で3970円で、3連複に対し2倍以下という珍しい3連単配当になりました。
私は、このレースは見ていただけですが、もし馬券購入前に3連複と3連単の配当の比較をしていたら、私なら3連複を購入していたと思いますが、、、、、、、
来週の科学的競馬投資コメントからは、科学的競馬投資の「科学的」ということについて、分析やシミュレーション結果を交えてお話をさせて頂く予定で、過去8年間のデータに基づく回収率のシミュレーションでは、タイム理論のいわゆるスピード指数では回収率がどうなり、さらに芝ダート変換能力や休養明適性や余力馬等の独自データを加味していくに従つて回収率がどのように変化していくかといったことも検証してみる予定です。
科学的競馬投資ソフトAdinpick3は、常に上位入着の要因(原因)を発見・確認するために各種分析・シミュレーションを継続して行っており、回収率向上に向けて、基準値改定及びソフトバージョンアップを行っていきますので、今後とも科学的競馬投資を宜しくお願いする次第です。